中医学から見た食材の「性質」|体を温める食材・冷やす食材リスト
スーパー喜楽生鮮市場 編集部
中華食材の問屋直営スーパーとして20年以上の実績|川口市東本郷
中国には「医食同源」という考え方があります。これは、日々の食事こそが最高の薬であり、食材の性質を正しく理解して食べることが健康の基本だという中医学(中国伝統医学)の教えです。中医学では、すべての食材に「性質」があると考え、それを体質や季節に合わせて選ぶことで、体のバランスを整えられるとされています。この記事では、中医学の基本概念である「五性」を中心に、体を温める食材と冷やす食材を詳しくリストアップします。
五性とは何か ── 食材の温度的性質
中医学では、食材が体に与える温度的な影響を「五性(ごせい)」と呼び、以下の5つに分類しています。
- 熱(ねつ):体を強く温める性質。唐辛子、シナモン(桂皮)、乾燥生姜など。
- 温(おん):体を穏やかに温める性質。鶏肉、羊肉、ニンニク、ネギ、エビなど。
- 平(へい):温めも冷やしもしない中立的な性質。米、豚肉、キャベツ、じゃがいもなど。
- 涼(りょう):体を穏やかに冷やす性質。豆腐、小麦、大根、白菜、梨など。
- 寒(かん):体を強く冷やす性質。蟹、柿、スイカ、苦瓜、緑豆など。
大切なのは、「熱」や「寒」の食材が良い・悪いという単純な話ではなく、自分の体質や季節に合わせて使い分けることです。冷え性の人は温・熱性の食材を多めに、のぼせやすい人は涼・寒性の食材を取り入れる、というのが基本的な考え方になります。
体を温める食材リスト ── 冷え対策に
肉類・魚介類
体を温める代表的なタンパク質は羊肉(ラム)です。中医学では羊肉は「温」の性質を持ち、冬の滋養食として最も重視されます。中国では「冬至に羊肉鍋を食べる」習慣があるほどです。鶏肉も温性で、特に薬膳スープ(鶏湯)の形で食べると体を内側から温めてくれます。エビは温性で腎を補うとされ、冷えからくる腰痛にもよいとされています。
香辛料・薬味
生姜(しょうが)は「温」の代表格です。生の生姜は発汗を促し風邪の初期に効果的で、乾燥生姜は体の芯を温める「熱」の性質に変わります。ニンニクは温性で殺菌力も強く、中華料理では不可欠な食材です。桂皮(シナモン)は「熱」性で、血行を促進し、冷えによる痛みを和らげるとされます。花椒は温性で、胃腸を温め消化を助ける働きがあります。唐辛子は「熱」性で、発汗作用が強く新陳代謝を高めます。
穀類・その他
もち米は温性で、体を温めながら気を補うとされます。冬のお粥に最適です。黒砂糖(紅糖)は温性で、女性の冷えや生理痛の緩和に古くから使われてきました。棗(なつめ)は温性で「気」と「血」を補う薬膳食材の代表格です。
体を冷やす食材リスト ── 熱がこもったときに
肉類・魚介類
豚肉は意外にも「平〜涼」の性質を持ちます。鶏肉や羊肉に比べて体を温める力が弱く、中医学では「陰を補う」食材として位置づけられています。蟹(カニ)は「寒」の代表的な食材で、体を強く冷やします。そのため中国では、蟹を食べる際には必ず生姜酢を添えて「寒」の性質を和らげるのが伝統的な食べ方です。アサリやシジミも涼性で、肝臓の熱を冷ます働きがあるとされています。
野菜・果物
キュウリは「涼」性で、夏の火照った体を冷ますのに最適です。苦瓜(ゴーヤ)は「寒」性で、清熱解毒の働きがあるとされ、夏バテ防止に効果的です。豆腐は「涼」性で、体の余分な熱を取り、のどの渇きを潤します。トマトも「涼」性で、胃の熱を冷まし食欲を増進させます。スイカは「寒」性の代表格で、中医学では「天然の白虎湯(解熱の漢方薬)」とも呼ばれます。梨は「涼」性で、乾燥した喉や肺を潤す効果があるとされ、秋の薬膳に欠かせない果物です。
飲み物
緑茶は「涼」性で、体の熱を冷ます働きがあります。一方、紅茶は発酵過程で「温」性に変わるとされます。プーアル茶は熟茶が「温」性、生茶が「涼」性と、同じ茶葉でも加工法によって性質が変わるのが興味深い点です。菊花茶は「涼」性で、目の疲れや頭痛の緩和に用いられます。
季節ごとの食材選び ── 四季に合わせた養生法
春(2〜4月):肝を養う季節
春は「肝」の気が高まる季節です。ニラ、セロリ、菊花茶など、肝の働きを助ける食材がおすすめです。辛いものや脂っこいものは控えめにし、軽やかな味つけを心がけましょう。
夏(5〜7月):心を養い、暑さを冷ます
暑い夏は涼・寒性の食材が活躍します。緑豆スープ、冬瓜のスープ、キュウリの和え物、スイカなどで体の熱を冷ましましょう。ただし、冷たいものの摂りすぎは胃腸を弱めるため、常温の緑豆スープがベストです。
秋(8〜10月):肺を潤す季節
乾燥する秋は「肺」を潤すことが大切です。梨、白きくらげ(銀耳)、百合根、蜂蜜など、潤い効果のある食材を積極的に取り入れましょう。中国では秋に梨のシロップ煮を食べる習慣があります。
冬(11〜1月):腎を温め、エネルギーを蓄える
寒い冬は温・熱性の食材で体を温めることが最優先です。羊肉鍋、生姜入りの鶏スープ、棗とクコの実のお粥などが定番の冬の薬膳です。黒豆、黒ごま、クルミなど「黒い食材」は腎を補うとされ、冬に特におすすめです。
スーパー喜楽の薬膳食材
当店では棗(なつめ)、クコの実、白きくらげ、蓮の実、百合根、陳皮、花椒、八角、桂皮など、薬膳に使える食材を豊富に取り揃えています。問屋直営ならではの品揃えと価格で、日々の食卓に薬膳を取り入れやすくなります。
食材の組み合わせの知恵
中医学では、食材の性質を組み合わせてバランスを取ることも重視します。たとえば、寒性の蟹を食べるときに温性の生姜酢を添える、涼性の豆腐に温性のネギや生姜をのせる、といった工夫は、すべて中医学の理論に基づいています。日常の食事でも「冷やす食材と温める食材を組み合わせる」という意識を持つだけで、体調管理に役立つでしょう。
食材の五性は、あくまで中医学の伝統的な分類です。科学的な裏付けが十分でないものもありますが、数千年にわたる経験知の蓄積として参考にする価値は十分にあります。自分の体質を知り、季節に合わせた食材選びを楽しんでみてください。